前回ご紹介した”明石昌夫”氏のビデオの中で”発声練習はしなくていい”といった内容がありました。今日はそれについて考えてみたいと思います。

自分はかつて肩書として”ボーカルトレーナー”を名乗っておりました。人からはよく”ボイストレーナーをやられているんですね”と言われていましたが、面倒なので”あっ、はい”とか適当に返事してました(笑)。気持ち的には”ちょっと違うんだけどなぁ”って感じでしたね。

”ボイトレ”という言葉もすっかり浸透していて、”歌が上手くなりたい”ー>ボイトレに通う、の図式も結構一般的なのではないかと思います。

ではこの”ボイストレーニング”と”ボーカルトレーニング”の違いは?その一つが上記”発声練習”だと考えます。

一般的にボイトレは声・喉を鍛える、つまり発声練習がメインで例えば1時間発声練習のみ行うレッスンもあるでしょう。

自分の場合もレッスンで発声練習を行いますが、その目的は、
1.ウォーミングアップ
2.正確な音程が出せている、よい発声が行われている、等のチェック
であって、声そのものを鍛える目的では行っておりません。

その理由をスポーツにおける筋トレに例えて説明しましょう。例えば野球なりサッカーなり上達しようと考える場合、まずその技術を知りその技術を向上させるために必要となる筋肉を鍛える、との手順となり闇雲に筋トレを行うことはしないでしょう。

歌の場合でも必要に応じてボイトレを行えばよく、目的もなくただボイトレを繰り返すのはおススメしません。

もちろんマッチョを目指して筋トレをするようにボイトレ目的のボイトレもありでしょうから、そこはお好みで。

実は教える側からするとボイトレって楽なんですよね。教わる側も何か達成感みたいなものがあったりして(笑)。