我が家はそろってお笑い番組好き、主だったバラエティー番組は録画して毎週欠かさず見ています。先日のキングオブコントも見応えがあってよかったですね。

ところで「バラエティーに出てるお笑い芸人ってただおかしな話をするだけでお金が貰えるいい仕事だなぁ」と思ったことありませんか?いえいえ、彼らは笑いを生むというゴールに向けサッカーにおけるチームプレイさながらに裏で物凄いパス回しをしているのです。

例えば先週の『さんまのお笑い向上委員会』ではこんなやり取りがありました。


ゆりやんレトリィバァがカメラにお尻を向けてオナラをするというベタなギャグ繰り出した際、MCの明石家さんま中川家礼二に近づいてひざまずき、「座長、こんなんでよろしいんでしょうか?」と問いかけます。

この時明石家さんまは、旅芸人の座長が舞台化粧をしながら座員を叱り飛ばすという礼二のギャグを振り、例えば「屁ばっかこいてねえで稽古しなっ!!」といった返しを期待していたはずです。

これに対して礼二は「まあ屁こいてもいいんじゃねえか」と返します。これはこれでウケたのですが、さんまとしては想定したゴールと異なったのでさらに「座長、ゆりあんに優し過ぎますよ」と再度礼二に振ってきます。

ここでアドレナリンが出まくっているゆりあんは「ゆりやまへこきのすけと申しまするー」と三つ指をつき挨拶するという一座の子役の演技をかぶせてきます。

これが大ウケし爆笑が生まれ終了かと思われたその時、誰かが「遊びたいようっ(て言え)」とゆりあんをけしかけます。すかさずゆりあんが「遊びたいよう」とぐずると礼二が「バカヤロウ!!遊んでる場合じゃねえだろう。屁こく練習しやがれ。バカヤロウ!!」と叱りさらに大爆笑、見事にゴールが決まり終了となりました。

ここで注目すべきは、「遊びたいようっ(て言え)」とけしかけた人物。声だけだったので誰かはっきりしないのですが(陣内智則か?)、このパスが最終着地点を生みそれもさんまの意向に沿うものに軌道修正したという点で素晴らしいアシストでした。もちろんそれを受けゴールしたゆりあん->礼二のプレイも実に見事です。


さてこのように、一見ふざけているだけのように見えるやり取りにも物凄い仕組みが隠されているのです。これは歌も同じで、ただ歌っているように見える歌い手も実に様々仕掛けを歌の中に仕込んでいて、それが一般の人の歌との差を生み出しています。

自分がカラオケで歌ってみてどうもしっくりこないといった場合、是非オリジナルの歌手が歌っているのを再度じっくりと聴いてみてください。きっとそこに隠されていた仕掛けが見つかるはずです。