今日は少し趣向を変えて、時代の移り変わりに思いを馳せてみたいと思います。現在歌屋には80歳を超える母がいて、自分がいて高校生の娘がいる訳ですが、この3代での通信手段には大きな隔たりが存在します。これをそれぞれの恋愛時代に恋人とどのような方法で連絡をとっていたか、という観点から見ていきましょう。

まず母、昭和一桁世代ですから恋愛時代は戦後まもなく、この頃の通信手段はもっぱら手紙。固定電話もほとんど普及しておらず恋人とのやり取りも手紙のみ、と言うか自由恋愛がまだまだ認められてなく結婚も見合いの方が多い時代ですから通信手段以前の話ですね。

そして歌屋の時代、固定電話は既にほぼ100%普及していましたが、やはり家の電話で彼女と会話というのは気まずいもの。ということでこの世代は恋人と会話するために10円玉かき集めて近所の公衆電話へと走ったのです。

当時は”3分10円”の時代なので、10円玉5枚で15分話せました。残りが3分になると”ブー”という無常な音が聞こえて”もう切れるから・・・”みたいな。切ないっすねー。

そしてもう一つ乗り越えなければいけない大きな壁が。この頃は当然ながら相手の家の固定電話にかけるので、家族の誰かが受話器を取る可能性が大。そしてこれが彼女の母親ならまだよいのですが、もし父親が出たらと思うと心臓バクバク。。。

特にこれから親しくなりたい相手を初めてのデートに誘おうといった場合、まず父親が出た場合のシミュレーションから始めるわけです。

受話器の向こうで呼び出し音が鳴る、トゥルルル、トゥルルル、ガチャ・・・
”もしもし(男性の声)”
”あ、◯◯さんのお宅でしょうか。わたくし◯子さんのクラスメートで歌屋と申しますが、◯子さんはご在宅でしょうか?”
”あー今風呂に入ってるけど、何か?”
”あ、ちょっと今日の授業のことでお話したいことがありまして、それでは歌屋から電話がありましたとだけお伝えいただけますでしょうか?”
”伝えとけばいいのね”
”はい、お手数ですがよろしくお願いいたします。では失礼いたします”

これ考えてみたら初めての大人社会との遭遇、通過儀礼ですよね。こうして少年は敬語や社会のルールを学び大人になっていくのでした。

でこのシミュレーションを頭の中で無限ループしながら公衆電話に向かい、直接BOXに入る勇気がなく辺りをぐるぐる回って、いざ、と思ったら誰かに入られてたり。。。

やっとの思いで電話をかけ、本当に父親が出たらシミュレーションが一瞬にして全部飛んで、”あ、あ、あの~”みたいな・・・

あー何か本当に緊張してきた。一人で必要以上に盛り上がってしまいました。続きは次回に。

歌屋ボーカルスクール 
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