歌屋ボーカル研究所

     歌全般、歌唱法、声などに関するあれこれ

2012年11月

広瀬香美のボーカル・レッスン いよいよ最終回、テーマは”人前で堂々と歌ってみよう!”です。これまでのレッスンの成果を見せるべく発表会へ挑む3人、果たして歌い切ることができるのか!?

緊張の面持ちで会場である福岡女学院へ向かういつもの3人、広瀬講師と合流してまずはステージの下見に。会場はそれほど広くないものの、セットや照明はかなり豪華!緊張感MAXの3人に広瀬講師からアドバイス、”お家だと思って歌う”・・・

さて場面は変わって本番1時間前の楽屋へ。こちらもそれぞれ個室でかなり贅沢な様子、主催者側の気遣いが伝わってきます。広すぎて余計緊張しそうな感じも。


--- いざ本番!

司会を務めるのは広瀬講師、3人のゲストが次々に呼ばれいよいよ歌が始まります。まずはIKKOが1番手、これまでのレッスン風景がフラッシュバック映像で流れる中、歌い出すIKKO。。。

出だしは緊張感バリバリに伝わってきましたが、途中からだいぶ落ち着いてきて笑顔を見せる余裕も。最後まで堂々と歌い切るあたりはやはりエンターティナー、さすがです。

2番手は女子大生吉田さん、白いイブニングドレスが決まってます。サビ頭の難しい曲、やはり緊張感からかややノリがよくない感じはあるものの、会場で見守るお母さんのまえで一生懸命歌いました。会場は感動に包まれます。

そしてトリは荻原次晴、客席から登場し会場を盛り上げるだけ盛り上げてステージへ、果たして出だしサビ頭の高音は・・・あれ、なんか変、テロップには”アレレ?なんだか音程が・・・”の文字が。

これキーを2つ下げたのが裏目に出てしまいましたね。”出だし目一杯高音ださなきゃ”と意識して練習を行い、本番でさらに緊張してとにかく高く高くと思っていたら、じつはそれほど高くなかったと。

Aメロの出だしも同じミスでついに挫折、”もう一回やっていいですか?”とまさかの中断、大ウケの会場。そして2回目、何と先ほどより大きく外して即中止、ウケまくるお客さん達。。。まあこれはこれでオイシイので○かと。

ついに舞台袖に引っ込み音程チェックを始める荻原次晴、そして3回目、やっとまともに歌い切り、ホッとする本人とスタッフ、そしてお客さん。”すばらしかったです、すごーい”を連呼する広瀬講師、いや、素晴らしくはないんじゃないか。。。


--- 締めは広瀬講師の歌で

これで終わりと思いきや、最後は先生が締めますということで広瀬講師の歌、”愛があれば大丈夫”。久々にじっくり聴かせてもらおうと見ていたら、ナレーションが入ってゲスト3人のコメント映像が流れ、そのBGMにされてしまっていました。これはちょっと失礼じゃないのかな。広瀬講師怒ってないのだろうか。

ということでとうとうこの番組も終了となってしまいました。合わせてこの検証シリーズも終了いたしますが、全体の総括として次回もう一回だけこの番組に触れた記事を書き、それをもって完結にしたいと思います。

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♪Singing songs changes your world.

広瀬香美のボーカル・レッスン 第7回のテーマは第6回と同じく、”カラオケ王(キング)になろう”です。今回はカラオケの採点に関するレクチャーで、最初にカラオケ機器メーカー第一興商の広報がゲストに呼ばれ、採点の仕組みなどにつき説明していました。

NHKってスポンサー名を決して出さないイメージがあったんですが、最近は変わったのかな・・・など余計なことを考えていると、まずはお手本ということで広瀬先生が持ち歌を熱唱、さすが貫禄の95点で本人も満足気、この喜び様だと演出は無さそうですが。。。すみません、前回の放送以降つい疑り深くなってしまいます。

続いていつもの練習曲を歌うゲストたち、得点は以下の通り。

 荻原次晴 87点
 IKKO 68点
 女子大生 90点

あとはゲスト一人一人の練習風景などで、今回あまり特筆すべきところはありませんでした。そこで前回の内容について、書けなかったところをここでまとめてみます。


--- ♪広瀬チェック ここを直そう!

カラオケでの留意点ということで、ランキング方式で以下の点が挙げられていました。

第4位 ドリンクの選び方
・アルコールは控える
・烏龍茶もNG
 ローズヒップティーなど温かいソフトドリンクを選ぶ

第3位 エコーのかけ過ぎは禁物

第2位 キーを間違えた時の対応
 キーが違った時は、迷わず止めて歌い直す

第1位 マイクに頼らずに歌う
 カラダでしっかり歌ってからマイクを近づける
 マイクは”添えるだけ”という意識で

特に異存はございませんが、1点だけ、第2位の”キーを間違えた時の対応”っていうのにはちょっと笑ってしまいました。

このタイトルを見た時、”えーそんなのあるの?是非知りたい”と期待したのですが、”迷わず止めて歌いなおしてください”って。。。

だいたいキーを間違えたって気づくのはサビの高音に来た時ですよね。そこで”あっ間違えた、ゴメン”ってまた最初から歌われるのって一番迷惑じゃないですか?

ここは声がひっくり返ってしまってもよいのでなんとかそのまま乗り切ってください。そして間奏が来たら素早くキーを下げるようにすれば、あなたの好感度は下げずに済みます(上手い)。


--- 広瀬流 選曲のポイント

続いて選曲のポイントということで2点。

1.勝負曲は3曲目
1,2曲目はウォーミングアップで、3曲めに自分の十八番(おはこ、一番得意なもの)を持ってくる作戦です。これはその通りで、特に高音の曲をいきなり歌うのはNGです。いくら好きでもレミオロメン”粉雪”西野カナなんかを最初に持ってくるのは無謀です。

最初はゆるめの曲で喉を温めて、徐々に難曲、高音曲にチャレンジしていきましょう。ただ1曲目にあまり地味な曲を持ってくると盛り上がらないので、ノリのよい曲を選ぶようにしたい。。。この兼ね合いが難しいですね。

2.サビ頭の曲を選ぼう
サビが最初に来る曲だと皆の注目が集まるのでよい、とのことでした。確かにその通りではありますが、いきなりサビの曲ってなかなか難しいんですね。

曲始まりでいきなり全力疾走が求められるので、ここで失敗する可能性も大きい訳です。まさに諸刃の剣、クリスタルキング”大都会”でどれだけの男達が散っていったことか。。。(例えが古くてすみません)。

ですので上の1.と合わせて、”3曲目に勝負曲で、サビが頭にくる歌”にするとベストではないでしょうか。是非お試しください。

早いものでもう次回は最終回、いよいよ人前でのお披露目となります。まさか例の女子大生がめちゃくちゃ上手くなってる、っていう演出はないと思うのですが。。。

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広瀬香美のボーカル・レッスン 第6回は”カラオケ王(キング)になろう”です。歌屋はいつも水曜日の再放送の方を視聴していたのですが、なぜかこの回は予定通り放送されなかったためブログの更新ができませんでした。

幸い2回目の再放送を見ることができましたので、早速いつもの通り検証を行なっていきましょう。


--- 広瀬流・カラオケの極意・・・禁断の演出

今回はいよいよカラオケ屋へ出かけての実践練習です。部屋へ入るなり盛り上がってアルコールなどをオーダーするいつものゲスト3人、それを別室で隠れて監視する広瀬講師、すかさずドリンクに対するダメ出しです。

そんな広瀬講師のことなどまったく知らない様子で、好き勝手に歌いまくるゲスト、”キリンの首とかさ、風船とかも、、、キリンの「キ」もないし、風船の「ふ」の字もないよね頭の中に”、”カラダ・・・今までさ何をやってきたんだろう、もう全然・・・”と嘆く広瀬講師。

ついに我慢の限界、3人がいる部屋へ突入し”私は怒っております!”と息巻く広瀬講師、あわてふためくゲストたち。。。

・・・。

皆さんご承知の通り、これはいわゆる”演出”ですね。アルコール頼むことも、ノリノリで歌うこともダメ出し前提での演技ですし、もちろんご本人登場も台本に沿った進行です。事前に現場でちゃんと挨拶して、打ち合わせした上での撮影でしょう。

これはTVの番組構成として許容範囲ですが、この中で決してやってはいけない演出が行われていました。

広瀬講師がボーカルレッスンをして再度ゲストが歌うと先ほど勝手に歌っていた時と違ってしっかり歌えている、というシーンでの荻原次晴の歌、何と指導後はキーを2つ下げていたのです。

”先ほどの歌は高音が苦しげでしたが、今はちゃんと歌えていましたね”ってキー下げてるんだから当たり前!!!

推測されるのは、ボーカル指導前後で荻原次晴の苦しげな歌に変化がなかったのでじゃあキー下げちゃいましょう、といった安易なやり取り、もしくは確信犯的に最初はオリジナルキーで苦しげに歌わせておいてレッスン後はこんなに楽に歌えるようになりました、という使用前・使用後パターンの演出か。。。

・・・正直悲しくなります。せっかくボーカルレッスンが世に広まるチャンスなのですから、誠意を持った内容にしていただくことを切に願います。

気をとりなおして最後に一つだけ。本来のカラオケの楽しみ方として、最初のノリノリの方がありなのではないかと。

酒も飲まず姿勢を正して中途半端に上手く歌われるより、多少のお酒はOK、少しくらい音外してもみんなで楽しく盛り上がればそちらの方がよくないですか?ボーカルインストラクターの言うことじゃないかもしれないけど。

その他番組の内容にも細かくツッコミを入れたかったのですが、今回はこの辺で。次回放送に期待しつつ。

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広瀬香美のボーカル・レッスン 第5回は”表現力を磨こう ~高音・低音・ロングトーン~”です。特にこの中で”高音”については、皆さん関心の高いところではないでしょうか。最近のJ-Popは男女とも高音化が進んでいますので、当方にも高音が出せるようになりたいということでいらっしゃる方が多くいます。


-- 飛行機あたま->ロケットあたまに交換

まずは高音を出すトレーニング。”ロケットあたまー”と叫ぶ広瀬講師、今日はのっけから飛ばしてます。おそらく”頭上の風船を割る”をさらに強調する意味なのでしょうが、例えとしていかがなものか。

続いてピアノを使って自分の最高音をさらに伸ばすトレーニングを実施。”(高音を出すと)どこが疲れますか?”と広瀬講師、だいたい喉の辺りと答えるゲストに、”実は一番疲れなきゃいけないのは前腿(まえもも)なんですよ、上こそ下”。これは高音を出すのに実は下半身が重要であることの説明ですね。

実際にまえももが疲れるかはさておき、高音を出す際に下半身も意識するというのは大事なポイントです。高音を出す際はどうしても意識が上にばかり行ってしまいがちなのですが、実は下半身も重要あることは当ブログでもこちらで説明しています。

さすがは高音のスペシャリスト広瀬講師、と関心していると、さらに高音を出すための裏ワザを披露。”両手を高く上に上げて発声します”。言われるがまま、両手を高々と上げ”パン、パン、パーン”と声を張り上げるゲストたち。荻原次晴、頑張り過ぎて声がひっくり返ってます。

さて確かにこの手を上に上げる方法、一瞬高音出たりするのでNGではないのですが、歌屋流ではあまりオススメしません。理由、1.せっかく下半身を意識すると言っていたのに、これだと意識が上にいってしまう。2.肩や首周りなど上半身が力んでしまう。3.こんな格好で歌わない。。。


-- 低音もキリンの首で頭上の風船を割る?

”低音は高音を伸ばすより難しいんです”と広瀬講師、これはボイストレーナーであれば誰でも知っていて、低音はその人毎にほぼ決まってしまっているという話。

どうするのかなと見ていると、広瀬講師から実に意外な説明が。”低音の場合もキリンの首で、頭上の風船を割るように発声します”。

これまさに3回前のブログで書いた、”歌屋ではこの発声法を高音の発声をする場合と位置付けています”、”(低音の場合に関して)番組では特に説明がありませんでしたがどうなのでしょうか?”への回答ですね。

つまり広瀬流では高音・低音に関わらず、”キリンの首で頭上の風船を割る”ように発声しなさい、ということです。

これはどうなのでしょうか。福山雅治や中島美嘉が低音で歌う際に・・・以下省略。


-- ロングトーンは息を少しずつ押し出します

そして最後、ロングトーンのポイントとして”息を少しずつ押し出します”と広瀬講師。”皆さん筋力がないからハッと(息を)出しちゃう。でも私は、す・こ・し・ず・つ、押し出す力がある”。

さすがは高音&ロングトーンのエキスパート広瀬講師、ここは説明も自信たっぷりです。いよいよすごいトレーニング方法が公開されるのか・・・

”ここにストップウォッチがあるので測ってみましょう”とやおらストップウォッチを取り出し、ゲストに”あ~~~~~”と声を出させて一息でどこまで伸ばせるか記録を計らせる広瀬講師。あーこれ何となくロングトーンの練習してるっぽい感じはしますが、実際に歌うのとはあまり関係なかったりして。

広瀬講師が”金メダルを狙う必要はありません”と仰る通り、こんなに限界まで伸ばすロングトーンはまずないでしょう。特に最近のJ-Popではあまり流行らないような。。。ロングトーンはやはり実際の歌の中で練習するのがオススメです。

ということでいよいよ佳境に入ってきたこの番組、次回もお楽しみに。

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