歌屋ボーカル研究所

     歌全般、歌唱法、声などに関するあれこれ

2010年07月

かなり前になってしまいましたが腹式呼吸の基礎については以前に説明をして、その際”歌の中では少しやり方を変える必要がある”と書きました。今回から何回かに渡って、その”歌の中における腹式呼吸”=”腹式呼吸で歌う”ことについて説明をしていきます。

まず腹式呼吸を意識する前に、実際に歌の中でどのようにブレスがされているかを確認していく、”ブレス位置のチェック”を行います。今回も例として”愛のままで・・・”を使います。以前も書きましたがこの歌は例として用いているだけで、ここで説明する内容は基本的にはどのような歌を歌う際にも応用できるものです。

歌詞はこちらをご覧ください。

 秋元順子さん『愛のままで…』の歌詞

この歌詞を紙に印刷してブレス位置を”V”で書き込んでいきます。この曲の場合さほど複雑でないので紙に出すまでもないのですが、アクセントやちょっとした歌いまわしなども合わせて書き込むようにするとより明確になりますので、やはり紙に出すのがオススメです。 残念ながら上記サイトや他歌詞検索サイトでは直接印刷することができませんので、ワープロで打っていただくなど何らかの方法を検討してください。

ブレス位置は音源を聞きながらチェックしていきます。この曲では、まずAメロは頭で1ブレスして1フレーズ歌い、以降その繰り返しで計4回ブレス、Bメロは頭で1ブレス後”幸せ”まで歌いそこで1ブレス、”なんてー”の後1ブレス、”いらないー”の後(=”あなたの”の前)で1ブレス、その後”愛しく”まで歌い1ブレス、”あればー”につながり、サビはAメロ同様1ブレス+1フレーズ、となります。

この曲の場合どなたがチェックしても上記のようになるかと思われますが、曲や歌手によってブレス位置がはっきりしない場合はDVDなどで実際に歌っている映像を確認するとわかることがあります。もしどうしてもわからなければ、自分にとって最も自然なところにしていただいてOKです。

ブレス位置がチェックできたら、一度その通りにブレスをして歌ってみます。年配の方などでどうしても息が続かない、あるいはどうも違和感がありしっくりこない、といった場合などはブレス位置・回数等の調整を行ないます。以降基本的にはここでチェックした通りにブレスを行って毎回歌うようにします。

このようにブレスはいきあたりばったりで息が続かなくなったところで行うのではなく、毎回同じところで行うようにすることで、そのタイミングやブレス量といったものも自ずと決まってくるのです。

とさんざんブレスについて書いておいてなんなのですが、最終的には”ブレスは無意識のうちに行う”ことが望まれます。意識すべきは歌うことの方で、息を吸うことではありませんので。とは言え車の運転や楽器演奏と同じく、無意識で事を行えるようになるためにはまず徹底的に意識した練習が必要ですので、ここでは意識してブレス練習を行っていただきたいと思います。 
 
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♪Singing songs changes your world.

成りました。はい、またゴーヤの話ですみません。前回黄色い花が咲いたと書きましたが、この花に雄花と雌花があって(感覚的には雄花・雌花の比率は5:1くらいの割合)、雌花の根元がぷくっと膨らんでそれが実になるのです。

最初は線香花火の先くらいのようにわずかに膨らんでいるだけですが、それが唐辛子くらいの大きさになり、更に成長して今一番大きいものは長さ10cm、幅4cmくらいでもう立派にゴーヤの姿です。あの特徴的なぼつぼつもしっかりついてます。
 
線香花火   →   とうがらし   →   10×4cm

でこれがどこまで育ってどこで収穫するかが結構難しいようで、あれだけ濃い緑色だった実がある日突然鮮やかなオレンジ色に変わってしまい、そうなるともう食す時期を逸しているということなのです。こちらとしてはなるべく育ってから収穫したいので、そのせめぎ合いですね。

いっそのことどこまで大きくなるのかを確認する意味で最初の一つは色が変わるまで待ってみようか、いやいや記念すべき最初の一つめは是非食卓に乗せて美味しくいただきたい、など緑のカーテンを眺めては妄想モードに突入してしまう歌屋なのでした。
 
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今日はリズムとアクセントの続きとして、リズム以外からのアクセントである”メロディからのアクセント”について説明します。

今回は一旦”愛のままで・・・”から離れて、ある一つのフレーズを例にとり説明していきたいと思います。

まず前回説明した要領で机の上などを指で軽く叩きながら4拍子をとってみてください。そこに”今日はいつもより”というフレーズを乗せていきます。1,2,3,4拍に対してそれぞれ、きょう・はい・つも・より、が乗ることになりますので、実際口に出して”きょうはいつもより”と言いながら4回机を叩きます。この時は普通にしゃべる感じで結構です。

上記がリズムに乗ってスムースにできるようになったら、今度はこれにメロディを付けます。”今日はいつもより”を、きょ・う・は・い・つ・も・よ・り、と8つに分け、上記のリズムは保ったままそこに8つの音を付けていきます。楽譜がわかる方は全てに8分音符をふるといった方が早いですね。

メロディはどんなものでも構わないのですが、まず”きょ・う・は・・・”の”きょ”が一番高い音になるようなメロディを付け、次に”う”が一番高い音になるような・・・といった要領で全部で8パターンできることになります。

以下に例を上げてみます。ピアノなどお持ちの方は実際に音を出して確かめてみてください。

1. ミミミミドドミ
2. ドミミミドドミ
3. ドドミミドドミ
4. ドドドミドドミ
5. ドドドドミドミ
6. ドドドドドドミ
7. ドドドドドド
8. ドドドドドドド

それでは上記8パターンのメロディで実際に”きょうはいつもより”というフレーズを歌ってみましょう。その際それぞれの一番高い音に自然とアクセントが乗ってきませんか?

1. ミミミミドドミ きょうはいつもより
2. ドミミミドドミ きょはいつもより
3. ドドミミドドミ きょういつもより
4. ドドドミドドミ きょうはつもより
5. ドドドドミドミ きょうはいもより
6. ドドドドドドミ きょうはいつより
7. ドドドドドドミ きょうはいつも
8. ドドドドドドド きょうはいつもよ

これがメロディからくるアクセントです。つまり一般的に高音の部分は低音の部分よりアクセントが置かれることが多いのです。これは詩に曲を付ける、逆に曲に詩を付ける場合にも当然意識され、より強く訴えたい部分は高音が多用されます。

実際多くの曲において一番の高音はサビにあってそこが最も強く歌われていますので、いろいろな曲で確認してみるとよいでしょう。もっとも最近は最高音が裏声で歌われることもよくあるので、その場合はこのケースから外れますね。

さて今回は少し作詞・作曲の勉強のようでもありましたがいかがでしたでしょうか。それではまた。

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口に出すまいと思いつつ、つい”暑いーっ”と言ってしまうこの暑さ、皆さん大丈夫ですか?もともと歌屋は夏大好き暑さ大好きなほうなのですが、それでもこの暑さは尋常ではないですね。”暑い”というより”熱い”といったほうがしっくりくる感じです。

その昔、歌屋は中学生のとき剣道部に籍を置いていました。そこは当時県大会で上位に入賞するほどの部でしたので練習もそれなりに厳しく、夏場体育館で重い防具を付けての練習は中学生としてはかなりハードなものでした。しかも当時は練習中水分補給厳禁という時代でしたので(歳がバレる)、途中気分が悪くなってダウンする生徒も結構いました。今だったらちょっとした問題になっていたかもしれません。

そんな中で鍛えられてきたのだから、この程度の暑さなどなんのその・・・と言いたいところですが、やはり暑い。。。考えてみたら当時は30℃超えたらかなりの暑さという認識だったのが、今や35~6℃当たり前、比較にならないのかも知れません。熱中症なんて言葉もなくて、せいぜい日射病くらいだったですものね。

ヒートアイランド現象と言うやつなのでしょうか?ともあれ皆さんお身体にお気をつけください。

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それでは今日は”リズムとアクセント”アクセントについて書いていきます。

歌詞はこちらをご覧ください。

 秋元順子さん『愛のままで…』の歌詞

さてリズムというのはわかるけどアクセントって何だろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは単純に”歌の中で強弱をつける”ことと理解してください。

アクセントの説明に先立って、前回のリズムに出てきた”拍子”について補足説明をします。

ちょっと試していただきたいのですが、机の上などを指先でかるく”トントントントン・・・”と0.5秒間隔ほどで叩いてみてください。このとき同じ強さで叩きテンポ(速度)をキープするようにします。

次にこの”トントン・・・”を”1,2,3,4,1,2,3,4・・・”と頭の中でカウントしていきます。そしてこの1,2,3,4の1のときに少し強く叩くようにしてみてください。いかがでしょうか。まずはこれが4拍子であると捉えてください。

これができたら、まったく同じテンポで”トントン・・・”をしながら”1,2,1,2・・・”とカウントして1を強く叩くとそれが2拍子になります。歩くときの感じですね。

更に”1,2,3,1,2,3・・・”とカウントして1を強く叩くとそれが3拍子となります。ちょっとイメージが変わって優雅な感じです。上記はいずれもテンポは一定ですので、乱れないよう注意してください。

このようにテンポは一緒でもそれが2,3,4拍子のいずれにもなるということがご理解いただけたと思います。つまり何拍子というのはアクセントによって決まるのです。ときどき”この曲は3拍子だからゆっくり”とか”2拍子だから早い曲”みたいに思われる方がいらっしゃるようですが、必ずしもそうではないことがおわかりいただけましたでしょうか。

さてここからが本題のアクセントの説明です。感のよい方はお分かりの通り、まず原則としてこの拍子のアクセントに則ってアクセントを付けていきます。

前回この曲の4拍子の1拍目の言葉だけを抜き出したものを載せましたが、そこは基本アクセントを付けるようにします。もちろん必ずそうなるとは限らないですし、曲構成で見たように出だしとサビでは強さが異なるといったことはありますので、そこは考慮してください。

またアクセントをつけるというのはそこを闇雲に強く歌えばよいということではなく、しっかりリズムの基点をそこに置く、といったイメージになります。

以下にこの曲でアクセントをつけた方がよいと思われる場所を抜き出してみます。

こ・・・は・・・な・・・の・・・
あ・・・つ・・・ほ・い・か・・・
だ・く・し・・・て・・・い・・・
あ・し・い・・・ば・・・・・・・

あ・こ・う・・・あ・・・き・・・
べ・・・ん・・・な・・・く・・・
そ・い・か・・・き・な・て・・・
い・あ・ま・・・お・よ・に・・・

この曲の場合、特にBメロ”比べる”の”く”や、サビ”投げかけて”の”な”にはかなり強くアクセントが置かれています。一度原曲を聴いて確認してみてください。改めて歌手がダイナミックに強弱を付けて歌っていることがわかると思います。皆さんボーカルレッスンを始めると、曲の聴き方も変わってくるようです。

さて今日はリズムから由来するアクセントについて説明しました。じつはこれ以外のアクセントというのもあるので、そちらは次回に説明します。

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