歌屋ボーカル研究所

     歌全般、歌唱法、声などに関するあれこれ

コロナもついに5類移行となり、周りの状況も以前に戻りつつあります。これまで我慢してきたカラオケを復活した皆さんもいらっしゃるのでは?

その際これまで歌っていなかったのに急に大声で歌ったりするのは要注意です。”久々にカラオケに行って歌えるか心配だったけど歌ってみたら結構調子良く歌えた”みたいなことも意外にあるんですが、それで調子に乗って長時間歌い続けるととたんに喉の不調を覚えるケースも。

歌はスポーツ同様、長期間行っていなかった場合復帰直後にいきなり最初から飛ばし過ぎるのはよろしくありません。リハビリのつもりで様子を伺いながら調子の良いうちに切り上げるのがよいでしょう。

丁度少し前に喉の病気についての記事がありましたのでリンクしておきます。

東洋経済オンライン
【喉の痛み・声がれ】注意したい咽頭の病気一覧

喉の調子が悪い場合は決して無理せず休息をとり、症状が改善しない時は早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

ちょっと前ですがテレビをつけたら”小学生が選ぶ! 歌がうまいと思うアーティスト”みたいのをやってました。

”やっぱり今はMISIAが1番なんだろうな”くらいに思いつつ横目で見ていたら第3位 MISIAと発表されたので”おや?ではその上は誰だろう?”と俄然興味が湧いてじっくり観ることに。

そして第2位 Adoとの発表。10代にしてあの歌唱力と表現力を兼ね備えたスーパーシンガーAdo。なるほど、納得。となるとこの抜群の歌唱力を持つ2人を押さえ栄えある1位となった歌手とはいったい誰?

結果発表・・・第1位 YOASOBI(幾田りら)

あーそうきたか。確かにあの複雑なメロディラインと転調しまくりの難曲”夜に駆ける”を軽やかに歌い上げるお姉さんは小学生から見たら憧れなんでしょうね。

さてそんな幾田りらが昭和の名曲、松田聖子”SWEET MEMORIES”をカバーしていてそれがこちら。



この曲はいわゆる”昭和歌謡”ですから、幾田りらの歌唱力をもってすれば歌いこなすに何ら難しいことはないでしょう。ただリアルタイムにオリジナルを聴いていた当方にはあっさりし過ぎて少々物足りない気がするのです。

そのオリジナルの松田聖子”SWEET MEMORIES”がこちら。



いかがでしょうか?表現力の点において、やはり松田聖子は偉大な歌手だなぁと思われませんか?もちろんどちらが良い悪いではなく個人の好みですし、昭和の人間にはオリジナルの方にノスタルジーが何割増しかになっているのも事実。

ちなみに当方当時は”明菜派”でした(笑)。

バラエティの1ジャンルとして根強い人気を博す”モノマネ”、今もときどきスペシャルでTV番組をやっていますね。

まさに本人かと思わせる歌唱をする松浦航大・ビューティーこくぶ・よよよちゃんといった本格派、お笑い要素の多いミラクルひかる、チョコプラをはじめとする芸人など、私も大好きでいつも楽しませてもらっています。

そんなモノマネ番組で平成の始め頃”ものまね四天王”として名をはせていた芸人がいました。清水アキラ・ビジーフォー(グッチ裕三・モト冬樹)・栗田貫一・コロッケの4組です。

常にモノマネトーナメントで上位を競っていた4組。そのうちの一人清水アキラがあるトーナメントの決勝でフランク・シナトラを歌ったことがありました。結果は優勝できなかったのですがその際ある審査員が次のようなコメントをしたのです。

フランク・シナトラは捨てて歌うから(難しい)”

その審査員が誰だったのか、また正確にどう言ったのかは覚えていませんが、この”捨てて歌う”という言葉が印象的で今だにそこだけ覚えていたのです。

そのフランク・シナトラの歌唱がこちら。



抜群の歌唱力・表現力は言うまでもないのですが、ただ上手く丁寧に歌っているのではなくややぶっきらぼうでぞんざいな印象もあり、これをその審査員は”捨てて歌う”と表現したのではないでしょうか。

でなぜ急にこんな古い話を思い出したのか。実は最近ある曲をコピーする必要があってそのビデオを観ていた時”あれ?この人捨てて歌ってない?”と思ったことがあったのです。それがこちら。



ご存知ポール・マッカートニー。ビートルズ時代から現在まで多くの人から長く愛されているポールの歌唱もどこか”捨てて歌っている”感じはないでしょうか?ポールフランク・シナトラの大ファンなのは有名な話で、歌い方も影響を受けているのかもしれません。

ただ同じ捨てるにしてもフランク・シナトラは近くのゴミ箱に紙くずをスッ、スッとストレートに投げ込む感じ、ポールは離れたゴミ箱にポン、ポン、ポーンと放物線を描いて投げ入れるイメージ。でもどちらも投げた紙くずはパーフェクトにゴミ箱に吸い込まれていく・・・あくまで個人の感想です(笑)。

さて他にも”捨てて歌う”シンガーはいるでしょうか?そして日本では?英語と日本語の違いもあってかちょっと思いつかないですがいかがでしょうか?

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