歌屋ボーカル研究所

     歌全般、歌唱法、声などに関するあれこれ

今年ももう紅白歌合戦の出演者発表の時期となりました。例年通りその顔触れについていろいろと話題になっていますが、そんな中あいみょんは余裕で3回目の出場が決まったようです。

あいみょんの魅力の人気の要因として、楽曲、声質、ルックスなどいくつも上げられますが、今日はあいみょんの歌詞の魅力について取り上げてみたいと思います。

あいみょんの歌詞といっても初期のシュールなものから現在のポップなものまで様々ですが、特に”上手いなぁ”と思わせるのは言葉遣いの巧みさ。その言葉によって”あれっ?”とか”ドキッ!?”と思わず振り返らされるような言葉の使い方をしているのです。

実例を少しあげてみます。

・マリーゴールド

歌詞はこちら(歌ネット)

軽妙でポップなあいみょんの大ヒット曲。A、Bメロと流れるメロディを心地よく聴いているところへサビの頭で”麦わらのー”と飛び込んでくるフレーズ、ここで思わず”なにっ?”と引き込まれます。その後に”帽子の君が”と続き、ああそうなんだと疑問が解消されてまた気持ち良くサビを聴かせるといった仕組み、まさに緊張と緩和ですね。これがもし”麦わら帽子のー”だったらこうはならないでしょう。


・愛を伝えたいだとか

歌詞はこちら(歌ネット)

男子目線のモノローグを16ビートに載せ彼女への想いを語るセンスを感じさせる曲。Aメロでぶつぶつと情景描写を呟いている感じから一転してサビに入るといきなり”バラの”と声を張り上げ、ここで”ドキッ!?”とさせられます。さらに最後のサビ繰り返しでは”バラの”に続き畳み掛けるように”汚れてる”とのセリフ、”何がっ?”と思わずにはいられません。


・猫

歌詞はこちら(歌ネット)

dish//というバンドに提供された曲。あいみょんもセルフカバーしてますね。いなくなった彼女を猫に例えたこちらも男子のモノローグですが、淡々とA,Bメロと流れてサビ直前にいきなり”馬鹿”と言い放ちます。突然に”馬鹿”と言われればこちらも”ドキッ!?”としてしまいますが、この後に”馬鹿しいだろ”と続きつまり”馬鹿々々しい”と言っているのです。最初の”馬鹿”で”ドキッ!?”とさせ実は”馬鹿々々しい”と言っているというこの巧みさ、さらにはこの主人公自身が”馬鹿”と言い放った後ちょっと言い過ぎたのをごまかすかのように”馬鹿しい”と付け足しているともとれ、このスゴ技には脱帽するしかありません。


さて今年の紅白ではどんなパフォーマンスが見られるのでしょうか。”笑ってはいけない”がなくなってしまったので、視聴率がどうなるかも少し興味ありますね。



コロナ何故か急に収束した様子ですね。飲食店の時間制限も解除されてなじみのライブハウスも徐々にライブ本数が増えてきています。ただイギリスの例を見てもこのまますんなりとは終わってくれない感もあり、しばらくは引き続き感染対策を続けた方がよさそうですね。

さて今日は声に関する記事を見つけましたので紹介いたします。

東洋経済オンライン
よく響くいい声が出せる「のど・口・鼻」の使い方単なる「大きな声」と「よく響く声」は別物だ

一つ目は声の響きに関するもの。こちらは話し声についての内容ですが、もちろん歌う場合にも声を響かせるのは上手く歌うための重要なファクターですので、こちらを参考に自分の声の響きというものを一度意識してみてはいかがでしょうか。最後にモゴモゴ声を改善するためのエクササイズも紹介されています。


プレジデントオンライン
「韓国人、中国人に完敗」オペラの本場で日本人が活躍できない根本的な理由日本人に共通する「骨格」以外の原因

こちらはオペラ界の話。よくスポーツでも歌でも東洋人は欧米人と比較してフィジカル面でのハンデは否めないと言われますが、同じ東洋人の韓国・中国人が世界のオペラ界で活躍しているのに対し日本人は目立たないとのこと。その理由につきメンタル面と日本語の言語特性から説明されています。

そしてその問題点を意識して改善することにより世界レベルの声楽家がもっと現れるとされていて、これは個人レベルでの歌唱力向上や外国語習得などにも役立つ事項ではないかと感じました。


いかがでしたでしょうか。緊急事態宣言解除に伴い歌好きはカラオケに行く機会も増えるかと思われますが、コロナとインフルエンザにはどうぞ引き続き警戒なさってください。

今日は歌好きの方には少々怖い喉の病気の話。自戒の念を込めて上げておきます。

落語家とミュージシャンに多い? 喉頭がんの特徴とは(日経Gooday)

内容はリンク先を読んでいただくとして、こういった話を聞くとつくづく”人生とは皮肉なものだ”と思ってしまいます。落語家と歌手、どちらも生業で声を使い最も声を失うことを怖れている職業の方がかかりやすいと言うのですから。

本記事の中でその理由として”喫煙者や愛飲家が比較的多いからかも”となっていますが、あと”休めない”のも大きいのではないでしょうか。

少し前までの芸能界は舞台に穴を開けるなどあり得ない、親の死に目に会えないのが当たり前の世界でした。少々の不調には目をつむって活動を続けていて発見が遅れるケースがあったかもしれません。

またこれはあくまで推測ですが、この手の職業の方は常に声を失う恐怖が意識下にありそれが具現化してしまったのではないかと。イップスや局所性ジストニアにも通じるところがあるかもしれませんが、あまりに意識が一点に集中してしまうと何らかの不具合を生じる可能性があるのでしょうか。

何にせよキャパ以上に根を詰めるはよろしくなさそうです。ただその見極めが難しいのですが(笑)。声だけにとどまらず、やはり心身に不調を感じた時は無理せず休息を取り必要に応じて病院に行くのがよいでしょう。自戒の念を込めて(笑)。

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